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  がん予防効果
運動は、がん予防効果があると、最近注目されている。東京ガス健康開発センター(東京都)の澤田亨主幹研究員は「よく運動している人ほど、がんによる死亡の危険度が低い」という調査結果を得ている。

● 不足は大腸がん招く

1997年、世界がん予防基金と米国がん予防財団は、「がん予防の14カ条」を共同発表。
その3条「身体活動の維持」で、運動は、大腸がんのリスクを少なくするほか、
肺がんや乳がんで予防効果が期待できることを指摘した。
この指摘について、日本がん疫学研究会は、それが日本人にどの程度当てはまるかを検討した結果、
「運動不足は、大腸がんのほぼ確実なリスク要因」と報告した。
 このように、大腸がん予防には運動の有効性が指摘されている。
そこで、澤田研究員は同センターの定期検診を受診した男性9,677人(平均年齢36.4歳)を、
(1)運動不足
(2)やや運動不足
(3)平均的運動量
(4)比較的運動している
(5)積極的に運動している

−の5グループに分け、平均15年間にわたって、すべての種類のがんの死亡率を比較検討した。
 その結果、がん死亡率は、運動不足グループが最も高く、平均運動量グループの2倍以上、
積極的に運動しているグループの4倍近いことが分かった。

● 1週に1度は汗を

 澤田研究員は「個人的な意見として、運動は、大腸がんばかりか、どのがんに対しても危険度を低下させる可能性があると思います」と言う。
 そのメカニズムは、今後の研究を待たねばならないが、予防効果が確実視される大腸がんについては、運動によって便秘が解消され、便に含まれる発がん物質と大腸粘膜の接触が短くなるためと考えられている。では具体的に、どのような運動を行うと効果的なのだろうか。
 「激しい運動よりも有酸素運動が効果的です。まず、少なくとも1日8,000歩は歩き、それをクリアできれば1万歩、さらに1万2,000歩になると理想的です。実践するには、1度、家族全員が歩数計で1日にどの程度歩いているかを確認するといいのです」と澤田研究員。
 歩数計で目標に足りないことが分かれば、通勤時に1駅手前から歩く、主婦なら、いつもより遠くのスーパーを利用するなど、日常生活の中に歩くことを組み込んでいくとよい。それとともに週1回は、軽く汗を流す程度のスポーツを楽しむとストレス解消に役立ち、免疫面からもがんの予防効果が期待できる。
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