「鬆」は”す”が入ってスカスカしていることを意味しています。
ですから骨粗鬆症は骨にすが入って脆くなっている病気です。その結果、つまづいて滑ったりして、
転んだときに容易に骨折がおこります。骨粗鬆症でよく骨折がおこるところは、手首の骨(橈骨)、
背骨(椎体)、脚のつけ根(大腿骨頚部)、肩(上腕骨頚部)です。
皆さんの身の回りにも、このような骨折をおこして治療を受けた人が何人かはいるでしょう。
このように骨が脆くなってくるのは、年をとることと関係があると考えられていますが、全てのお年寄りが、
骨粗鬆症になるわけではありません。男性はかかりにくく、
女性が骨粗鬆症.になりやすいことが知られています。
60歳代の女性では、約4割の人が骨粗鬆症にかかっていると言われており、
70歳代、80歳代になると、その割合が更に増加します。
我が国では400万人ほどの人が骨粗鬆症になっていると推定されています。
骨粗鬆症になりやすい人
人は、15、16歳で成長が止まりますが、骨はその後も丈夫になっていきます。
30歳頃に最も骨の量(骨のカルシウム量)が多くなって丈夫になり、その後、少しづつ減っていきます。女性の場合、多くは閉経後(日本人は50歳頃に閉経します)急速に骨の量が減少し、骨粗鬆症にむかっていくわけです。しかし、人によって骨粗鬆症になりやすい人となりにくい人があります。30歳位までに運動をあまりしなかった人、閉経が早くおこった人(手術で卵巣を摘出した人など)、やせた人、乳製品(牛乳やチーズ)をあまりとらない人、お酒をよく飲む人、タバコを吸う人、母親の腰が曲がっていた人などが特に骨粗鬆症になりやすいといわれています。
骨粗鬆症の予防と治療
骨粗鬆症は女性によくおこること、また長い年月のうちにじわじわと進むことがお分かりになったと思います。ですから予防のためには早くからこの病気のことを知っておいて、日頃からいろいろ注意しておくことが必要です。多くの女性では、閉経(50歳頃)を境として骨が減りはじめるので、この頃から予防や治療について知っておくことが望ましいわけです。予防や治療としては、食べ物についての注意、運動についての注意、さらに薬での治療が必要です。
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